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【とくダネ!】日本の給料安過ぎ問題 特に地方・田舎の低賃金は切実「モノプソニー」って何?

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2020年6月23日の朝のフジテレビの情報番組「とくダネ!」で、日本の給料安過ぎ問題を取り上げていました。

実はこれ、私が地方に移住してからずっと思っていて、「このままじゃ日本がダメになるしかないよな〜」ってか「これだから日本はダメなんだよな〜」って密かにこれからの日本を心配していたことの一つ。

だって、こんなにお給料安かったら、生活費で精一杯。レジャーとか洋服とか、贅沢品に手が伸びないよね?日本、そんな人ばかりで、経済弱まる一方じゃん・・・って常々感じてました。

経済学の知識があるわけじゃないのだけど、仕事を辞めて田舎に来て、給与の安さに唖然・茫然としてしまい、学問的にではなくて「切実な問題」として肌に感じていたことなのです。

とくダネを見ていたら「モノプソニー」と言う聞き慣れない言葉も出てきました。

そこで、日本の給料安過ぎ問題について、思うことを書いてみたいと思います。

(オチはありません^^;)

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日本の給料安過ぎ問題 byデービッド・アトキンソン氏

今回のテーマで、「日本の給料安過ぎ」と警鐘をならしたのは、オックスフォード大学で日本学を専攻し、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として活躍したイギリス人のデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長。三田証券株式会社社外取締役兼務)。

 

\以前こちらの「新・観光立国論」を拝読させて頂いたことがあります/

 

アトキンソン氏はこれまでも日本経済の研究を続けて来られ、衰退しつつある日本を救うための様々な提言を行ってきた方。

新刊『日本企業の勝算―人材確保×生産性×企業成長』では、「人口減少による年金・医療崩壊」「100万社単位の中小企業破綻」に対する危機意識を持ち、日本企業の根源的な「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大の必要性、特に中堅企業をもっと育成していかなくてはならないこと、を訴えています。

 

\『日本企業の勝算』はこちら/

モノプソニー(monopsony)って何だ?

今回の「日本の給料安過ぎ」問題で、アトキンソン氏の口から出てきた「モノプソニー」と言う言葉。

耳慣れない単語ですが、どう言う意味があるのでしょうか?

これ、キーワードなので、私もわからないなりに頑張ってこの記事読みました。

「モノプソニー」の意味は、労働者を雇う会社側の力が強くなりすぎ、労働者が「安く買い叩かれる」状態にあること、だそうです。(まさに日本!特に地方!)

アトキンソン氏によると、このモノプソニーが、日本経済を大きく歪めているのだそう。

結局、労働力を安く買い叩くと最終的には「経営者」も苦しくなって日本経済も弱体化が進む・・・って結局のところ、経営者自身の首を絞めることにもつながるんだったら、お給料上げて欲しいですよね〜(汗)

モノプソニーがもたらす弊害いろいろ

モノプソニーがもたらす弊害についても、ちょっと難しいけど大切なことなので、簡単にまとめておきます。

モノプソニーの弊害① 企業の規模が小さくなる

本来、労働市場の効率性が高ければ、そこに少しでも高い給料を求めて労働者が集まるので、高い給料を支払える生産性の高い企業に労働者が集中します。こうなると、その国、その業種の企業の平均規模は大きくなります→経済的に◎

では、モノプソニーの力が働いている場合はどうなるかと言うと、こんな感じ。

 

企業が本来払うべきより安い賃金で労働者を雇用

→その結果企業は利益を上げやすくなる

→その利益を狙って同じような規模の企業が増える

→企業の平均規模が縮小

→企業が増えるとほど経営者も増え、結果経営者の質も低下

→経営者の能力を反映して企業の規模が更に縮小

→大企業・中堅企業で働く労働者が減り、小規模企業の労働者が増える

 

という流れで、日本には小規模企業が増え、労働者も低賃金の小規模企業勤務の人が多くなる、ということらしいです。

この流れ、なるほどな〜と感じました。。。

モノプソニーの弊害② 輸出率が低下する

企業が継続的に輸出をするためには、160人規模の生産性の高い企業であることが必要だけど、モノプソニーの力が働き、企業の平均規模が小さくなると、輸出できる企業が減ってしまうのだそうです。

実際に、日本は輸出総額では世界第4位ですが、対GDP比では世界第160位相当低ランキングなんですね。「日本は輸出大国」なんて昔から思っていましたが、大きな勘違いなのだそうです。。。

そういえば去年、ちょっと輸入について聞きたいことがあってJETROに行ったら「今、あまり輸入には力入れてないんですよ。輸出のことならどうぞ」って言われて、すごく輸出を強化しようとしてるのを感じました。

それも、こういう背景があると知って、納得。

モノプソニーの弊害③ 最先端技術の普及が進まない

●優秀な人材を安く雇用できると、優秀な社員に任せれば仕事が回るので、機械化したり最先端技術を導入したりする動機が低下、結果最新技術の普及が滞る。

●企業の規模が小さいほど最先端技術導入コストを払えない。

●たとえ導入しても、人材に乏しくビジネスの規模も小さいので、十分に活用するのが難しい。

上記のような結果、最新技術が普及せず、時代に乗り遅れてしまいがち。

モノプソニーの弊害④ 格差が拡大する

モノプソニーの影響が強くなっても、高学歴の人は労働市場での交渉力が強いので、所得にはあまり影響がない反面、交渉力の弱い層の賃金は低く抑えられるので、両者の格差はますます広がっていく。

これもわかります。以前、私が外資系金融にいたときは年収は交渉でしたけど、日本の会社は基本、決まった給与で募集してそれに納得して就職を決めるっていう形が多いと思うので、交渉のテーブルすらないっていうところが多いですよね?

田舎にいると、求人の募集要項は、介護施設や工場勤務などで1ヶ月の手取りが10万円ちょっとなんてふざけた??募集が多く目につき、「私は仕事の覚えも処理能力も高いので20万円にしてください」なんて交渉ははなからできないようになっています。

これじゃ、ますます労働者はやる気をなくし、生産性は落ちるばかりだと思います。

モノプソニーの弊害⑤ サービス業の生産性が低くなる

とある研究によると、モノプソニーの力が働きやすい業種と、働きにくい業種があることがわかっていて、飲食、宿泊、小売、教育、医療の業種では、モノプソニーの力が強く働くことがわかっているそうです。

なるほど、そう言われると飲食や宿泊業界では、イメージ的に労働者の立場が弱く、重労働な割りにはそれに見合わない賃金、という印象がありますね。

モノプソニーの弊害⑤ 女性活躍が進まない

女性、特に子育て中の女性は、残業もできないし急な休みが多くなったりして周りに迷惑をかけている後ろめたさから、雇用主に対して強気の賃金交渉がしにくく、モノプソニーの力がより強く働くのだそう。

結果、女性は賃金の低い職業にばかり集まることになりますよね。「女性の活躍」「女性の社会進出」なんて政府の方針も、絵空事にしか聞こえませんね。

地元の賃金の現実はまさにモノプソニーだった

地方に移住して来て一番切実に危機感を感じたのは、引っ越して来てまもなくの頃、何気なく求人情報を見た時です。

「こっちって今、お給料いくらくらいなんだろ?どんな仕事があるんだろ?」という好奇心で見ていたのですが、あまりのお給料のシビアさに唖然としました。

「正社員」「週休二日(と言っても完全ではないので、実質土曜日が休日になるのは月に1度か2度だけという求人が多い)」「事務職」で見ると、私が住んでいるところでは給料が16万円位のところばかり。手取りにすると12〜13万円というところでしょうか。

そのくせ、「経理スキルのある人」「簿記◯級」「営業にも行ってもらうので車の免許がある人」など、それなりのスキルや経験が求められてたりします。

そんな賃金でそこまで働くこと求められて。労働者は奴隷じゃないんですよ?って思っちゃって、応募する気なんて起きません。そもそもそんな低賃金で人の時間をフルタイムで拘束するような募集をよく出せるな、厚かましいにも程がある、なんて毒づきたくなりますよね。

ちなみに、私がこの地方で昔、某銀行員として新卒で入社した時のお給料が、まさにこんな感じでした。(手取りで13万円くらい。)その時(20年以上前)と今、給料の額が全然変わってない事実に愕然。時が止まってますよ

とくダネ!でもグラフが出ていましたが、過去20年ほどで他の先進国は国民の所得が右肩上がりなのに比較して、日本はほぼ横ばい。全然所得が増えていないのだそうです。

そのグラフが間違っていないことを、地方の20年前の私の初任給と今の求人募集の給料が同じということが証明していますよね。

 

それに・・・正直、正社員がそれならバイトの方がよくないですか?

正社員になって、フルタイム時間拘束されて、有給休暇取るのも気を使って、給料手取り13万なら、時給1000円くらいのところで1日5〜6時間働いた方が気も楽だし自由。

というのもあって、いまだ私はこちらで働く気力が沸かないわけなんですが・・・(笑)

で、そのように働くモチベーションが沸かないお給料しかもらえないっていう事実が、日本の生産性や競争力を下げていると思うんですよね。

モノプソニーについて考える まとめ

モノプソニーの弊害を見て来ましたが、100%は理解できなかったけど、「これじゃ日本経済衰退する一方だよね・・・」と暗い気持ちになりますよね。

アトキンソン氏によると、最低賃金を段階的に引き上げて、モノプソニーによって生じている歪みを修正するしか、国民生活の回復はないと思う、とのことなのです。

でも、大企業なら賃金引き上げもありますが、小規模の企業で賃金引き上げって、個人レベルでどうにもならない部分もあるので、国が動いてくれないと相当難しい話だと思います。

だけどこれ、本当にどうにかしないと、日本に絶望する人続出で、ますます生産性下がると思います。「働けど働けど我が暮らし楽にならず」じゃね。一日中働いて、1ヶ月のお給料は生活費で精一杯なんて人ばかりじゃ、夢も希望もない悲しい国、日本になっちゃいます(ってかもうなってます。)

よく言われているのが、生活保護の方が受給しているお金と、最低賃金でフルに働いている人の賃金がほぼ同じってこと。

誰だってそんなの聞いたら働くの馬鹿馬鹿しくなりますよね。やる気なくなりますよね。生産性落ちますよね。。。だって、生活保護でもらえるお金って、国が”生活するのに最低限このくらい必要”って換算した金額なんですよね?一生懸命長時間働いて得られる給料が「最低レベルで生活できる金額」と同じだなんて・・・やる気なくしませんか?

一生懸命働いたら、綺麗なおうちに住みたい、お洒落なお洋服着てレストランで美味しいモノ食べたい、旅行に行きたい。そういうモチベーションがあるから人って一生懸命働けるんです(少なくとも私は・・・)

楽しい気持ちで一生懸命働く人が増えたら、生産性だって上がりますよね、多分。それにみんながお金も使えるようになるから、企業も儲かるし、税収も増える。

だけど、働いても生活するので一杯で、何一つ願望が叶わないなら、一生懸命なんて働けない。ハケンのハルコさんじゃないけど「頂いたお時給の分だけはきっちり働きます」って感じで、低賃金なりの働きしかしなくなるから生産性は落ちる。給料も増えない→誰もお金使わないから経済も回らない、税収も増えないから日本がますます衰退する。負のループ。

って考えると、アトキンソン氏のおっしゃることはごもっともで、ほんとお時給上げていただかないと、国民生活の回復はないし、日本の横ばいの賃金がこれからもそのままだったら国際競争にも負けるし、日本、発展途上国に逆戻りだね。。。あ〜怖い。

とくダネ!で見た「日本の給料安過ぎる」問題に、地方に引っ越してきてからず〜っと胸の内にモヤモヤ感じてたことを書いてみました。

オチがなくてすみません。。。